モミジとカエデ
空気が澄み、夜空の星空もより一層綺麗に見えるような気がします。
キンモクセイの香りもいつしか終わり、これから本格的な寒さに備えて
冬支度を始める季節ですね。
秋は1年の締めくくりを彩るような、美しい紅葉も楽しみの一つです。
長野県の栂池自然園を訪れた時の1枚です。
標高約1900mに広がる日本有数の高層湿原で様々な動植物を観察できる自然の宝庫です。
黄色や橙色、赤色など
自然が織り成すグラデーションは、緑の木々の中で幻想的な美しさと共に
葉が散り行く前のその瞬間だけの儚さも感じます。
美しい紅葉樹の代表格である、
モミジとカエデ
英名ではカエデ属の植物を全て「maple(メープル)」と呼びます。
モミジと名前が付いた木も、カエデと名前が付いた木も同じカエデ属の植物になります。
カエデというくくりの中にモミジという種の郡があるイメージです。
モミジとカエデを区別しているのは日本人だけのようです。
ではどのようにして区別したのでしょうか。
ヤマモミジ
モミジ
平安時代の「もみづ:染色するという意味」から葉の色が染まる様子を「もみじ」に
当てはめて呼んでいたところからきており、葉の色の特徴(紅葉する様子)を表した名前です。
ハウチワカエデ
カエデ
カエデ属の植物の葉形が蛙の手の形に似ていることから「かへるで→かえで」となまって
今日まで使われ続けており葉の形の特徴を表した名前です。
葉の切れ込みの深さで「もみじ」と「かえで」が識別されているわけではありません。
日本では、古来から赤や黄の紅葉を愛でる文化があり、自然と調和した
心の動きを表す和歌もたくさん詠まれています。
桜や生命力溢れた新緑と違って、紅葉はこれからやってくる冬の到来に向けて、
この美しさを心に留めておこうとする独特な想いで愛でているような気がします。
ご自宅のお庭には細身の樹形が美しいコハウチワカエデもお勧めです。
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