夏の時間は楽しい分、早く過ぎてしまう気がしてしまいます。お庭や町の木々はもうすっかり秋景色ですね。栗・柿が色付いてくるものもうすぐです。
さて9月というとイギリスは新学期! 今月は私の学校のお話です。
私は2002年の9月からロンドンにあるガーデンデザインの学校に1年間通いました。
“National Certificate”というイギリスの国の定める資格に値するコースでした。
1年間で、ガーデンデザイン・ガーデンビジネス・植物生態学・土壌・病害虫・植栽知識・外工技術etcを学ぶコースです。
クラスメイトの多くは社会人で、1人でガーデンビジネスを始めたり、新しくこの仕事を始めるためにきている人が大半でした。
そのため、1年間で詰め込めるだけのことは詰め込むといった感じで、課題と実習の連続!
社会人が多いということもあって、みんな”本気”で学習しているといった日々でした。
今まで学生のころの私には”勉強をする”と言う言葉を理解できないまま(*_*)学生時代を終わらせたので、初めて本当に一生懸命勉強した1年でした。
私がその授業の中でお気に入りのものは、植栽知識と外工技術でした。
植栽知識の授業は、学校の庭をみんなで歩き、実際その植物の枝の先・葉の形・木の形を観察して、その植物の特徴を調べていきます。
1週間後、その植物の一部を試験管に入れて、テストをやって行きます。実際に植わっている植物観察して、それが四季を通じて見ることができたので、どんな環境が好きで、どんな植物といい組み合わせが生まれるかがわかりました。
そして課題には、”庭のデザインを見て解説をする”といったものがあり、とにかく周りの木々と庭の関係・銅像の位置と意味・植栽の果たす意味と植わっている場所・周りの環境とその庭に必要なものなどなど・・・
今まで”庭”をそんなにたくさんの角度で見たのは初めての経験でした。
お庭には植物・池・置き物・香り・色などたくさんのものからできる総合的な場所なんですね。
外工技術の授業は、測量・レンガ、敷石の積み方・池の造り方と、実際1人でお庭ができるようすべての仕事を学びます。
学校のお庭の測量・クラスメイトで造った人口の川・コンクリートを練ってレンガ積みなど・・・
それもイギリスと日本のガーデンビジネスの違いで、池などは特殊なビニールシートなどを使って、簡単で素人が自然なイメージの池を造ってしまうことが良くあります。そのため、石の配置・池の形や水がもたらす庭の意味などを学びました。
この先生のおかげで、石の持つ表情や水の魅力が少し見えてきたような気がします。
イコールで日本庭園の持つすばらしい技術やデザイン力も! 離れてみるといろいろ見えてくるものです!
ある日同じクラスメイトで、3本指に入る優秀な生徒だった方が私に質問してきました。
「日本庭園を始めて造った人はだれ?」だれ??????????
イギリスという土地で初めて、日本庭園と仏教の関係、そして中国からの影響などなどのことを勉強したのもこのときでした。
気候もいい時期になってきて、紅葉が美しい秋。皆さんも、ゆっくり植物の形や色、そして庭に隠れているたくさんの宝物を探しに、日野のモデルガーデンにいらしてください!