木々の葉色もすっかり緑からオレンジ・茶色に・・・
風に舞う枯葉が、なんとも冬の予告をしているようで、なんだかせつなさを感じる時期です。
でも、寒さをしのぐために背の低いパンジー・ビオラたちがそんなお庭を早い春へ、導いてくれますね。
今月は、先月の学校を卒業した後、1年間働いたガーデンのお話です。
私はこの年の春から、さまざまなガーデンに履歴書を送り、ガーデナーの職探しをしていました。
やはり、こういう仕事は、実際植物を過ごすことをしない限り勉強が身につかないと思ったからです。
でも異国での職探しは想像以上に大変で、求人対象がヨーロッパ人のみ(ビザの発券が必要なため)、イギリス人のみ、年齢制限etc・・・ 数十通の履歴書はすべて戻ってきました。
そんななか、ピーターラビットのふるさとの”湖水地方”にあるナチュラルガーデンの求人に応募したところ、面接しましょうとのこと。
片道6時間電車にゆられ、森の中にある”John Ruskin Brantwood Garden”です。
»http://www.brantwood.org.uk/
ジョンラスキンは1800年代のイギリスの思想家、オックスフォードの教授でもあり、水彩画家。
1800年代の産業革命から、イギリスの自然保護の活動(ナショナルトラスト運動)の発起人でもあります。
ほんとうに自然が好きで、この湖水地方を愛した人で、晩年自分の理想とするガーデンを作りましたが思いも届かなく途中で他界。
その後を私たちで少しずつガーデンを作っていっているのです。
皆さんが想像するような、イギリスのフォーマルガーデンとは本当にちがって、とても自然で、アーテスチックなガーデンでもありました。
1年を通し、ガーデンの植え込み(宿根草の整理)・草抜き・芝の手入れ・果樹の手入れ、剪定・堆肥作り・種、球根の植え込み・種の整理・コンテナの植え込み・インドアプランツの手入れ・ゲストハウスの切花の生けこみetc.
そして、少人数ということもあり、新しいプロジェクトに参加させてもらい、ガーデンの植栽計画や子供たちへのガーデニングの教育プロジェクトなどに参加させてもらいました。
大変自然の美しいところでしたが、イギリスの中でも雨の大変多い場所で、1日雨が降らない日の方が珍しいというところでした。
そのせいか、こんなに”太陽”の存在ありがたさと感じたのは、このときがはじめてだったような気がします。
そして、早春に聞こえてきた、小鳥の声に感激したことなど!
東京という大きな器にいると忘れてしまった自然の美しさや良さが改めて分かったのもこのときだったような気がします。